私は最近、漠然と将来への不安を感じていたのですが、「幸福の「資本」論」(橘玲著)を読んでその理由がわかりました。
幸福な人生を送るために必要な「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つの資本のうち、2つがないからです。
本書によると、幸福な人生をつくるためには、「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つの資本が必要としています。
この3つの資本はそれぞれ
- 金融資産
自分が保有しているお金(貯金)
- 人的資本
自らの労働力により生み出す富(収入)
- 社会資本
共同体での絆、愛情や友情(家族・友達)
のことです。
そして著者はこの3つの資本をベースに、以下のように人生を8つのパターンに分けています。
金融資産 | 人的資本 | 社会資本 | |
1. 超充 | ○ | ○ | ○ |
2. リア充 | × | ○ | ○ |
3. 旦那 | ○ | × | ○ |
4. お金持ち | ○ | ○ | × |
5. 退職者 | ○ | × | × |
6. ソロ充 | × | ○ | × |
7. プア充 | × | × | ○ |
8. 貧困 | × | × | × |
それぞれのパターンは、「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つの資産・資本のうちどれを持っているか、どれを持っていないかによって分けられています。
例えば、プア充は、「金融資産」や「人的資本」はないですが、「社会資本」はあります。収入が低く、貯金はないが、地元の友達と強固なつながりを築いている田舎の若者がこれに当てはまるでしょう。
出典:幸福の資本論
この8つの人生パターンをまとめると上記の図のようなヒエラルキーとなります。
すべての資産・資本を持っている超充が上に君臨し、その下にリア充や旦那・金持ちといったような資産・資本を2つ持っている人たち、そのさらに下には資産・資本を1つしか持たない人たちがきます。最後に、すべてを失った貧困者です。
私は上記のパターンでいうと、出産前はリア充だったと思います。
貯金はそこまでありませんでしたが、出産前は営業職だったので給料もそれなりにもらっていて、愛する夫もいて…という具合でした。
(転勤で今のところにやってきたので近くに友達はいませんでしたが、典型的な恋愛のめり込みタイプで彼氏がいると友達とあまり遊ばなくなる人間なのであまり気にしていませんでした。)
しかし産後は、営業職から事務職に変わったことにより基本給が下がりました。
それに加え、時短勤務にしたことでまたまた収入ががくっと落ちてしまいました。
そのことにより、2つあった資産は1つになってしまいました。人的資本がなくなったので、今はプア充です。
この資本という考え方を知り、将来に対して漠然と不安を感じるようになったのは、このことが原因だ!と気付きました。
不安を感じる原因がはっきりしたので、今は「人的資本」と「金融資産」を増やすべく、以下の2つを実践しています。
「人的資本」を増やすために実践していること
転職をするため資格の勉強をしています。
いずれ時短勤務は終わるので、人的資本については時間が解決してくれる問題かと思いましたが、営業職に戻れない可能性を考慮すると今の事務職のままではフル勤務でもかなり給料が低いため、転職を視野に入れることにしました。
子供が小さい&特別な資格もないという点で、転職のハードルが高いので、まずは転職に有利な資格を取得しようと頑張っています。
まずは興味があった簿記の勉強から始めています。
金融資産を増やすために実践していること
インデックス投資の毎月積立額を増やしました。
「インデックス投資は勝者のゲーム」という本を読んでインデックス投資はすでに始めていたのですが、本書でも「金融資産」を増やす方法の1つとして紹介されていたので(ほんとにちらっとですが)、いまやっていることは正しかったんだと再認識でき、より自信を持って積立することができるようになりました。
引き続きコツコツとインデックス投資をして、「金融資産」を増やしていきたいと思います。
本書を読んで、自分が漠然と抱いていた不安の原因を知ることができ、より幸福な人生に近づためにやるべきことが明確になりました。
将来に不安をいただいている方、なんとなく不幸な気持ちになっている方は、一度 幸福の土台である3つの資本を意識して、自分に何が足りないのか考えてみるのもいいかもしれません。
本書の中で、プア充の例として地方の若者(マイルドヤンキー)が紹介されていました。彼らは乏しい金融資産と人的資本を友達という社会資本で補っています。著者の橘さんいわく、持っている資本が社会資本に大きく偏っていることを考えれば、”友情”や”地元愛”という特定の価値観だけが極端に強くなるのは当たり前だそうです。確かに、学生時代いわゆるヤンチャと言われる人たちを思い返すと、卒業後も常に友達とつるんでいました。(私が友達とずっといるのが苦手なタイプだったのですごいなぁと感心したのを覚えています)。また彼らがずっと地元に残っているのは、ただ単にお金の問題だけではなく、著者の言うように今ある資本をなくしたくないという思いの表れなのかもしれません。