お金儲けは「インド式」に学べ!という本で解説されていたインド人の考え方がとても面白かったので、紹介します。
本書では、日本人の「真面目さ」「緻密さ」にインド人のマインドが加われば、世界最強のビジネスパーソンが出来上がると説いています。
しかし私は、本書で紹介されていたインド人のマインドを少し生活に取り込めば、仕事で成功するだけでなく、今よりもっとハッピーに生きられると感じました。
この記事では、取り入れたいインド人のマインド3つ と 世界に誇れる日本人のマインドを2つ 紹介します。
それではまず、インド人のマインドから紹介します。
取り入れるべきインド人のマインド
1. 見切り発車がうまい!「60点主義」のインド人
インド人の国民的気質は、「とりあえずやってみる」「5割以上可能性があるんだったら、迷わずトライ」。
一緒にビジネスを進める話が出ると、その日の夜には契約書のドラフトを送ってくることすらあるそうです。
しかもその契約書ドラフトはたいていがタイプミスだらけ。
この日本人では真似できないような見切り発車のことを本書では「60点主義」と名付けています。
一方日本だと、そのビジネスをやるべきかどうかだけで何ヶ月も協議。契約書ドラフトのレビューには本社法務部で気が遠くなるほど長い回覧作業が行われます。
これはあくなき”完璧さ”を求める「100点主義」の思考が、日本人に根付いているためです。
日本人生来の”生真面目さ”がそうされるのか、ミスを恐れる”リスク回避主義”がそうさせているのかはわかりませんが、この「100点主義」がビジネスの場だけではなく、私生活でも顔を出します。
まずビジネスの場では、スピードが命。ベンチャー事業に参入するときは特にですよね。
ですがこの「100点主義」により、日本の企業が石橋を何度も叩いているうちに、ライバルたちは皆向こう岸に渡ってしまい、周回遅れとなってしまうのです。
一方、インド人の「60点主義」は、とにかくまずやってみて、問題が発生したらその都度オンタイムで解決するというもの。
そうすることで日々変化する市場にもタイムリーに対応することができ、目の前のチャンスを逃さずに捉えることができます。
また、日本人はこの「100点主義」をプライベートにまで持ち込むのです。
例えば、日本では趣味においても「ニワカ」を馬鹿にする風潮がありますよね?どうしてプライベートで好きなことにまで100点をとらなきゃいけないんでしょう….
プライベートにおいてもインド人の「いい加減さ」を取り入れたほうがずっと生きやすいと感じました。(仕事で60点主義はちょっと…という方でもプライベートなら取り入れやすいですよね)
ちなみにこの60点主義・100点主義の話を聞いて、私が勤めている会社で社内システムをまるっきり新しいものに変更するというプロジェクトのことを思い出しました。
「使い方がまだよくわからないから…」「もしかしたらお客さんに迷惑をかけちゃうかも」とかで社内の反対があり、結局当初の予定より2年ほど新システムの稼働が遅れました。
ですが結局稼働してからもめちゃくちゃ不具合あるんですよね。これならさっさと稼働してエラーを解消していくことに時間を費やしたほうがよかったじゃんと思いました。
100点を目指しすぎるのもどうなのかなと思った一件です。
2. 言うだけならタダ!忖度しないインド人
インド人はとにかく自分の言いたいこと、求めることをストレートに伝えてきます。
そこに「こんなこと言って嫌われたらどうしよう」という発想は微塵もありません。
例えば会社でも彼らは、毎年しっかり昇級交渉をするし、上司にもらった美味しくない食べ物を、忖度して「美味しかったです」ということもない。
ですがこの「忖度しない」という選択で、最終的にはみんなが幸せになれるのです。
もし忖度して美味しいと言っていたら、上司は美味しくない食べ物をみんなが喜んでいると思って買い続け、従業員は美味しくない食べ物を食べ続けるという誰も幸せになれない負のループに入ってしまいます。
はっきりと美味しくないと言ってあげたほうが、上司はみんなが美味しいと思っているものにお金を使えるし、従業員は美味しいものを食べれ、みんながハッピーになれるのです。
ですが、この「もの言う従業員」にいきなりなるのは難しいですよね。
いますぐなれなくても、「いざとなったら、いつでももの言う従業員になるぞ」という気概が大切です。
そのためにはいつでも転職できるようにしておきましょう。
インド人は、新しい会社に転職しても、入社初日にはもう転職サイトへ登録するそうです。
そして常に自分の価値をはかり、より良い条件がないか貪欲に探し続けます。
自分の価値を知り、次の場所を見つけておくことで、「最悪ここをやめることになってもいいや」と思うことができ、「もの言う従業員」にいつでもなれる準備ができます。
3. 頼れるもの・使えるものは全部使うインド人
インドでは昼間から働かずフラフラしている若者や青年を非常に多いのですが、彼らは一体どうやって生活しているのでしょう。
インド人は、基本的に「何かあったら一族で助け合う」という考えを持っているので、親族の誰かが仕事で失敗したり、働けなくなったりすれば、親や一族が同居して生活の面倒を見るのです。
国による社会保障制度がまだまだ整備されていないインドにおいて、この仕組みがいわばセーフティネットになっています。
そして養われている本人も「身の回りの使えるものを使って何が悪い!」という発想なのです。
彼らに言わせれば、「家族もいて、生活保護制度という立派な社会保障があるのに、そういったことに頼るのが恥ずかしいと思い、死んでしまう人がいるなんてまったく理解できない」となるのです。
この何かに頼ることが恥ずかしいという思いも、ある意味100点主義の延長線上なのかもしれません。
本当に苦しいときは、周り・制度に頼ってもいいんだという60点主義のマインドを持ちましょう!
ちなみに私は独身の時から今までずっと社宅で暮らしているのですが、この社宅は基本的に転勤ができる人のためのものなんです。ですが今は子供が小さくて転勤ができないため、会社の人に「転勤無理なのに住んでるんだもんね〜」と嫌味を言われたことがあります。笑 (今までたくさん転勤してきたのに….泣)
「早く引っ越そう〜」と思って家を調べていましたが、この本を読んで「使えるものは使ってやる」ぐらいの図太いマインドでいいのかなと思いました。たぶんインド人ならそうする。知らんけど。
次に日本のマインドの良い点についても紹介します。
ここが良いよ!日本人のマインド
1.「100点主義」=「職人意識」
日本が戦後、製造業で頭角を現した理由は、常により良いものを目指す「職人意識」を持っていたからです。
この「職人意識」を言い換えると前述した「100点主義」になります。
はじめは設計書通りの製品を寸分の狂いもなくつくり、それに甘んじることなく改良を重ねていく。
この飽くなき”完璧さ”を求める「100点主義」が、メイドインジャパン製品を数々生み出してきました。
品質が求められる製造業に関しては、このマインドは必要ですね。
ビジネスやプライベートにまで顔を出さなければ悪いやつではないんですよ!
2. 他人を気遣える仕事の縦割り文化
日本企業のローテーション人事(様々な部署・役職に配属されること)は、プロフェッショナルが育たないとして、批判されがちですが、1つ優れた点があります。
社員はさまざまな部署や役職を経験することで、自分の会社や部署がどう機能しているのか把握することができるので、どんな仕事をするときも「この仕事はこうしておいたほうが次の人が楽になるなぁ」と考え、会社全体が効率的に運営することができるのです。
ミクロ(個人)では、プロフェッショナルが育たないという点で微妙な制度ですが、マクロ(会社全体)でみると、それぞれが縦を意識し、効率的に仕事ができるという点で優れています。
この制度がうまくいっているのも、日本人の他人を気遣える性格あってのものではないでしょうか。
(少し話それますが、日本の終身雇用制度の点からいってもこの制度は日本に合っていますよね。ずっとその会社で働くならその業務のプロフェッショナルでなく、その会社のプロフェッショナルになってくれればいいですもんね)
まとめ
インド人のマインドとして本書に紹介されていた中から3つをピックアップして紹介しました。
- 60点主義
- 忖度しない
- 使えるものは全部使う
大切なのはこのインド人の良い意味での「ユルさ」「ポジティブさ」「人の目を気にしない姿勢」を、完全に模倣するのではなく、少しだけ私たちの仕事や生活に取り入れることです。
インド人の良いところ、日本人の良いところを掛け合わせることで、今よりももっとできるビジネスパーソンになり、もっとハッピーになりましょう!
本書で、インドのデリーで起こる渋滞の理由が記されていたのですが、その理由に笑ってしまいました。端的に言うと、全員が「早く移動したい」という自分の主張を最優先し、道路の秩序が失われ、結局大混雑してしまうからだそうです(笑)日本の周りに合わせ過ぎる風潮もどうかと思いますが、我が強過ぎるのも困りものですね。何事もほどほどが一番。