「パートナーから愛されていると実感できない」
「パートナー(子供)を愛しているのに、相手にうまく伝わっていない」
「最近関係がギスギスしている….」
「愛を伝える5つの方法」によると、これらはすべて 各々が持つ愛の一次言語が違うことにより起こっています。
日本語、英語、中国語、スペイン語….と人それぞれ話せる言語が違うように、愛の言語(=愛の伝え方・感じ方のこと)も人それぞれ違います。
日本語が一次言語(母語)の人に、一生懸命 中国語で喋りかけても理解されませんよね?
それと同じで、自分のために時間を作り、一緒に過ごしてくれることで相手からの愛情を感じる人に、たくさんの贈り物をすることで愛情を表現しようとしても、そこに何の意味も見つけ出すことができないのです。
この愛の一次言語の違いにより、相手からの愛が感じられず、私たちは「愛されている」という実感を失います。
人間は本質的に他人に愛されることを必要とする生き物ですので、「愛されたい」という欲求が満たされない現在の状況に不満を感じ、相手に対してとげとげしい態度をとってしまったり、批判的な口調になってしまったりするのです。
逆に言えば、相手が愛情を感じることができる方法で愛を伝えることで、相手のラブタンク(1人1人の内側にある、愛で満たされることを待っている感情タンクのこと)を満たすことができ、お互いを思いやることができる関係になれるのです。
著者のゲーリー・チャップリンさんは、愛の言語は5つあると説いています。
その5つの中で、どれが相手の愛の一次言語なのか見極め、その言語で愛を表現していきましょう!
5つの愛の言語の詳細については下記で紹介します。
自分の愛の一次言語はどれなのか、相手のはどれなのか、考えながら読んでみてください。
5つの愛の言語
1. 肯定的な言葉
1つ目の愛情表現方法は、「相手を立てる好意的な言葉を、優しい口調で語る」という方法です。
例えば、以下のような言葉たちです。
・感謝や賞賛の言葉
「スーツ姿、決まっているね」
「この料理すごくおいしいね」
「いつも家事をしてくれてありがとう」
・励ましの言葉
「文章を書くのがうまいね」
「君なら絶対やれるよ」
・謙遜な言葉
「君が作るアップルパイが大好きなんだけど、今週作るのって無理かな?」
2. クオリティ・タイム
クオリティ・タイムとは、一緒に何かをしながら、共に時間を過ごすことです。
これを愛の一次言語としている人にとっては、何をするかは重要ではありません。共に時間を過ごすということに重点を置き、その時間を作ってくれていることに愛を感じます。
クオリティ・タイムを提供するのに重要なのは、その時間しっかりと相手に注意を注ぐこと!”テレビを見ながら相手の話を聞く”、”一緒に旅行にいっている時に仕事をする”などはNGです。
よく 「相談してきたからアドバイスしたのに、一向にアドバイス通りの行動をせず、同じことをグチグチ言いつづけている」みたいな話聞きますよね。
そういう人はクオリティ・タイムが愛の一次言語なのかもしれません。
解決策を知りたいのではなく、自分の愚痴や思いに耳を傾けてほしいのです。
3. 贈り物
人から何かプレゼントをもらうと嬉しい気持ちになりますよね。
このように贈り物をもらうことで愛を感じる人もいます。
プレゼントは高価なものである必要はなく、手紙や手作りのものでもOKです。贈り物が愛の一次言語である人にとっては、あなたから何かもらうことが重要なのです。
本書では、「あなた自身」という贈り物でも愛を感じることができると説いています。
緊急時や悲しい時、実際にそこにいてあげることが、パートナーにできる最も力強い贈り物になるのです。
4. サービス行為
サービス行為とは、パートナーがあなたにやってほしいと願っていることを実際にしてあげることです。
料理を作る、皿を洗う、掃除機をかける、ゴミを捨てるなど、パートナーがあなたにやってほしいと望んでいるならば、これらはすべてサービス行為となります。
サービス行為は、思考・計画・時間・努力・精力を必要とする行為であるからこそ、相手がこれらの行為から愛を感じるのです。
5. 身体的なタッチ
肌の触れ合いが多かった赤ちゃんは、長い間放って置かれた赤ちゃんよりも健全に感情を発達させることが知られているように、肌の触れ合いにより愛情を感じる人がいます。
愛のタッチには、マッサージや性行為のように明確で、集中力を必要とするものがある一方で、コーヒーを注ぎながらそっと相手の肩に手を置いたり、テレビを見ながら自然に体を密着させたりと、さりげなく瞬時の動作しか必要としないものがあります。
以上が5つの愛の言語です。
「そんなことするタイプじゃないしな〜」と思うようなものもあったかもしれません。
日本語が母国語の人が英語を覚えるのが大変なのと同じように、相手の愛の一次言語を習得するのは努力が必要です。
一朝一夕にはいかないかもしれませんが、相手のラブタンクを満たし、円満な関係になるため、勇気を出して実践していきましょう!
あなた・パートナーの愛の一次言語を発見しよう
自分の愛の一次言語はなんなのか知るために、以下の3つの質問について考えてみましょう!
- パートナーがすること、またはしないことで、あなたが最も深く傷つくことは何ですか。例えば、あなたが相手にされて一番傷つくことが、批判やさばきの言葉であれば、あなたの一次言語は「肯定的な言葉」でしょう。
- 配偶者に最も願ってきたことは何ですか。あなたが相手に一番頻繁に懇願してきたことが、おそらくあなたの愛の一次言語でしょう。
- いつもどのような形で配偶者への愛を表現していますか。あなたは、自分自身が「こうしてもらうと愛されていると感じる」ことと同じことをして、相手に愛を表現している可能性があります。
これらの質問について考えることであなたの愛の言語を見つけることができるでしょう。
もし2つの言語があなたにとって同じぐらい重要であれば、あなたはバイリンガルなのかも。
※それでも、愛の一次言語がなんなのか全く検討がつかないという方は、「愛を伝える5つの方法」で紹介されている愛の一次言語 判定テストをしてみるのが良いかもしれません。
自分の愛の一次言語を見つけることができたら次はパートナーの愛の一次言語を推測してみましょう。
そしてパートナーと話し合ってみてください。話し合うことで、自分の愛の一次言語も伝えられて、相手のも知れます。
といってもなかなか愛について話し合うなんて恥ずかしいですよね。
私は、本書で紹介されてた愛の一次言語 判定テストを夫に「これやってみてー」と言って、やってもらいました。何の前置きもなく。(まあ本のタイトルで大体は察されてそうですが。笑)
それすらも恥ずかしいという方は、すべての愛の言語を試していってみるのも手かもしれません。
たった5つしかないですしね!
実践してみた結果
子供が出来てからというものの、私が言ったことをやらない夫に対してイライラしてしまい、今までしなかったような口喧嘩が多くなっていました。
夫が服を脱ぎ散らかしていたり、ゴミをそのままにしてたりすると、「うわーまたここに置いてあるよ」「パパはできないのに〇〇(息子)はできてすごいね〜」と言ってしまったり、
私が「自分で加入してる保険見直してね」「洗濯かご直しといてね」とお願いしても、何ヶ月もやらない夫に「固定費削減に協力しないということは子供にお金残してあげる気ないんだね」とか「洗濯かご直さないなら新しいの買うね。あーあまたお金かかる」とか言ってしまったり….(書いてて思ったけどめっちゃ嫌なヤツっっ!)
それに夫がイラッとし、口論になるといった具合でした。
そんなこと言ってしまう自分にも嫌気が差し、付き合っていた頃のようなラブラブさを取り戻したい!と思うようになり、本書を読むに至りました。
そして実際に夫の愛の一次言語で愛を語ることを実践!
ですが夫の一次言語がさっぱり検討がつかなかったので、上記で書いたように、夫に愛の一次言語 判定テストをしてもらいました。その結果が以下になります。
▽夫
一次言語:身体的なタッチ
二次言語:クオリティ・タイム
ちなみに私の結果は以下です。
▽私
一次言語:サービス行為
二次言語:クオリティ・タイム
そこで私は以下2点を毎日することを決意しました。
- 1日1回体に触れる
- 毎日10分夫との会話に集中する
意外と大変だったのが、②。
普段夫は22〜23時頃に帰ってきて、それからご飯を食べるので、その時に話すことが多いのですが、今までは私が携帯やパソコンを触りながら会話をすることがほとんどでした。(私は息子と先にご飯を食べ終わっている)
②を実践しなければいけないことが頭でわかっていても、少し集中力が切れると、携帯やパソコンに勝手に手が伸びてしまうんですよね。
今までこんなに夫との会話に集中していなかったのか!!と驚かされました。
あとイライラするとどーしても口から出てきそうになる嫌味をなんとか抑えるのがかなり大変でした。時には耐えきれず言ってしまうことも…
失敗をしながらも実践すること1ヶ月。
ずーっと言っていた保険の見直しをやろうと提案しました。
いつもなら「今日はそんな気分じゃない〜」と取り合ってくれない夫がなんと「いいよー」とすんなりOK。
ちゃんとこちらからの愛が伝われば、相手もそれを返してくれるということが実感できました。
まだ1ヶ月だけなので、これからも引き続き行い、なにか進展あればこちらで報告しますね。
相手が非協力的な場合
相手に改善しようという意思がなければこちらがどんなに愛を伝えようと努力しても無駄という意見があるかもしれません。
著者はイエスの教えを例に出し、「愛しにくい人を愛する」ことによって、相手から愛が返ってくるととしています。
いま聞いているあなたがたに、わたしはこう言います。あなたの敵を愛しなさい。あなたを憎むものに善を行いなさい。あなたをのうろう者を祝福しなさい。あなたを侮辱する者のために祈りなさい —— 自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい。
出典:ルカ 二六・二七ー三二
与えなさい。そうすれば、自分も与えられます。人々は量りをよくして、押し付け、揺すり入れ、あふれるまでにして、ふところに入れてくれるでしょう。あなたがたは、人を量る量りで、自分も量り返してもらうからです。
出典:ルカ 六・三八
いつも聖書とか宗教の話が出てくると、なんとなーく拒絶反応が出てきてしまうのですが、これに関しては「確かに」と頷けました。
良くしてくれる人に嫌なことをしてやろうとは思わないですよね?ましてやそれがパートナーだったら。(薄い関係の人だと利用されて終わるなんてこともあるかも….?)
聖書が教えてくれているように、パートナーが非協力的な場合でも、相手のラブタンクを満たすことで、やがて相手も愛を返してくれるのです。(非協力的な人に根気強く愛を与え続けるのは相当な覚悟が必要ですが!)
本書では実際にパートナーが非協力的だった場合どのようにすればいいかのハウツーが紹介されていたので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
相手の愛の一次言語を知り、その言語で愛を伝えることで、ラブタンクが満タンになり、パートナーとの関係が良好になることがわかりました。
これはパートナーだけではなく、子供も同じです。
子供もそれぞれが愛の一次言語を持っています。道端に生えていたお花をよくプレゼントしてくれる子は、一次言語が贈り物なのかもしれませんし、「ママ・パパ見てみて!」と注目を集めようとする子は、一次言語がクオリティ・タイムなのかもしれません。
良好な関係を築くために大切なのは、相手がパートナーであれ子供であれ、相手の愛の一次言語で愛を語ることです。
また適切な言語で愛を語ることは、良好な関係を築くだけでなく、相手の自尊心を高めることができます。誰かに愛されているということで、自分が愛される価値のある存在だと認識できるのです。
本書では、たくさんのカップルの実例や、各言語の実践方法が載っており、理解しやすい内容となっていました。(翻訳本苦手なんですが、これは大丈夫だった!)
「最近夫婦仲が良くないような気がする…」「相手に愛情が伝わってない」「子供の自尊心を高めたい」「今も仲良しだけどもっと仲良くなりたい!」というような方。というかそうでない方も。最近読んだ中でもかなりおすすめなので、ぜひ興味がある方は読んでみてください。
友達でかなり自尊心の低い子がいました。誰かから褒められても素直に受け取れなかったり、いつも他人と比較してしまったり…. その子が良く言っていたのが、小さい頃 親から何も与えられなかったということ。本書を読んで、あの子の愛の一次言語は贈り物だったのかなーと思いました。そして親からの愛を感じることができていれば、自尊心も高まったのかなと。どんだけ愛情をもっていても本人に伝わっていなかったらもったいないですよね。子供の愛の一次言語がよくわからないうちは、いろんな方法で愛を伝えようと思いました。